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#4

キリンの解剖本、お婆ちゃんクジラ臭を察知、マレーシアの11階

※ 本文はAIによる自動文字起こしをもとに作成し、発言内容を保ったまま一部を整理しています。聞き取りにくい箇所などでは、実際の発言と異なる場合があります。

第4回では、猛暑の部屋をアルミ箔やサンシェードで断熱する話から、人間がエアコンで自然の暑さに対抗し続けることの奇妙さについて話しています。辻本が郡司芽久『キリンのひづめ、ヒトの指 比べてわかる生き物の進化』を紹介し、キリンの長い首、進化、心臓まで遠回りして喉へ戻る反回神経、動く胸椎などへ話が広がります。さらに、進化や人間の行動に「なぜ」と問うこと、クジラの匂いを察知するお婆ちゃん、1968年のアラスカのセイウチが日本にいる不思議、マレーシアに自分がいる不思議について話しています。

暑さと断熱、エアコンが自然に負ける

辻本:[オープニングミュージック]えー、八月二十一日金曜日十五時二十一分です。neoコーキョーの辻本達也と。

友田:代わりに読む人の友田とんです。

辻本:ふくませるラジオは、小さな出版社をやりながらエッセイや小説を書いている友田とんと辻本達也が、最近読んだ本の話から始めて、本の外へ出ていくラジオです。第二第四木曜日配信で、感想はハッシュタグ「#ふくラジ」でお願いします。ホームページもありますので、そちらからお便り送っていただければと思います。ではよろしくお願いします。

友田:よろしくお願いします。

辻本:友田さんあれですよね、今年暑いので事務所に、何か貼りましたみたいなの書いてませんでした?

友田:アルミを、アルミ箔を。

辻本:あ、貼ってますね。

友田:うん。そんな話しますか。[笑い]

辻本:いや、僕も、去年、去年違う、一昨年か。一昨年、あの所沢に引っ越したんですよ。

友田:はい。

辻本:で、そしたら結構所沢って思ったより暑い方の地域で。

友田:内、あの内陸の、なんていうの、ヒートアイランドみたいな。

辻本:そうです、そうです。で、埼玉の中でも結構いつも天気予報を見ると、あの最高気温ではないんだけど、第二グループみたいな。

友田:へー。

辻本:感じ。第二グループなんて誰も言ってないですけど、僕が言ってるだけですよ。その一番、その一番暑いのが第一グループだとして。

友田:暑い群の、ちょっと離れたところに。

辻本:そう、あるんですよ。

友田:へー。

辻本:だから前、僕北、東京の北区に住んでたけど、まあ体感的に明らかに暑くて。

友田:うーん。

辻本:でー。

友田:山奥の方、山奥の方って。

辻本:そうそう、自然に近いイメージあるじゃないですか。

友田:もうちょっと涼しくなってるイメージ。

辻本:でも結構、そうですね、多分平らなのかな、あっちは。結構暑いんですよ。で、築二十八年とかの家で、そうすると断熱、今断熱断熱言われてますけど、断熱されてない家なんですよね。

友田:うん。

辻本:で、だから去年それこそ、本当暑かったじゃないですか、去年。だからこれだともう夏無理だってなって。

友田:うん。

辻本:サンシェードを、サンシェードってあの外の窓枠の上にこう金具つけて、下までこう紐引っ張って、そこにこう影になるように布を垂らしたりとか。あと、去年はもうあまりに暑かったので、水をかけるためにホースを買ったりとかするぐらい、去年はその暑さ対策をしていて。

友田:はい。

辻本:で、だから、あれってそう、これ今年すごく面白いなと思ったのが、そのインフラに金使っておくと、

友田:うん。

辻本:今年は使わなくていいんですよね。

友田:ああ、一度、一度整備すれば。

辻本:そうそうそう。去年もう作-- お金使ってるので、それのために。今年は、「あ、意外と余裕あるな」みたいな感じになるのはすごくいいなと。

友田:うちはもう本当に原始的っていうか、窓の内側にアルミ箔を貼って。

辻本:貼ったり、プチプチを貼ったり。

友田:で、今年は実は去年ほど暑く結局ならなかっ-- まあ今のところならなかったので、アルミの上にはプチプチを乗せてないんですけど。

辻本:はい。

友田:去年剥がしたプチプチをそこにまだ置いたままなんだけど、もしこれでも暑くなったら、アルミ箔の上にプチプチを貼って、要するに、空気が、あ、まずアルミを貼ると、要するに今までだったらそのまま入ってきてた日差しの熱が。

辻本:輻射。

友田:部屋の中に熱が来ちゃうのを、まず光を跳ね返すことで、その分のエネルギーを取り込まないようにしていて。とはいえ、このアルミ箔がめっちゃ熱くなるんですよね。

辻本:そうです。

友田:なので、その上にプチプチを貼ってあげると空気が対流しにくくなるから、プチプチの中の空気だけが温まるだけでいけるという、そういう二段構えなんですけど、今年はその二段目はやらなくても大丈夫だったので貼ってないみたいなことなんですけどね。

辻本:うん。

友田:だけど、この事務所が夏は三回目で、一回目の夏はこれをまだ編み出す前で、八月はほとんど仕事にならなかった。

辻本:よくわかります。うん。

友田:昼間もうね、気温計が冷房最大にしてもある時からもう三十度を下回らなくなってしまって。夜まで暑いみたいな。で、困ってたんですけど。そうだと思って。最初は古い建物だから気密度が低いから、外の熱が、熱気が入ってきてると思ってたんだけど、実は窓なんじゃないかと思って。ここが一番熱を取り込んでるから、窓の断熱さえできればと思ってやったらいけたと。

辻本:おー。

友田:いうので、なので、もし困ってる人がいらっしゃったら、そんな高価なものである必要なくて、普通にあのロールのアルミ箔を貼ってるだけで全然違います。

辻本:で、僕断熱してると、人間って何をやってるんだろうってすごく思うことがあって。っていうのは、この、まあ東京とか埼玉とかって毎年暑くなっていっているじゃないですか。で、まあ言ったら箱の中に住んでるわけですよ、人って。で、人はだから箱の中にいて、箱の外から その太陽がまず光、その光をバーンと箱に当ててきて、壁がもうあったまるじゃないですか。で、さらにそうしている間に外気が熱くなっていくので、その、その空気自体が家の中に隙間から入ってくると。で、そうすると家の中がどんどん熱くなっていくと。で、家のその箱の内側の空気が-- の気温が上がっていくわけですよね。で、それに対抗するようにずっとクーラーをつけ続けるわけですよね。北に行けばいい話なのではって[笑い]思うんですよね。

友田:しかもその、なんか箱の中の暖まったのを冷やすためにクーラーを回してて、そのクーラーを回すための電気はどっかで石油燃やしてたりするってことですね。

辻本:そう。で、これがなんか平成の時期だったら、まだカウンターを打つためのクーラーが、こうなんか理不尽に感じなかったっていうか。そのあまりにこう、今熱気がこう家に入ってきてるのに、それに対抗しようとしてるっていう、その構図が、なんか滑稽に感じるっていうか。

友田:その感覚は正しいと思いますよ。多分、こう、人間以外の動物に今どういうことを我々がやってるかっていうのをかいつまんで説明すると、バカなんじゃないですか[笑い]。

辻本:移動しなさいよって。あ、そうそう、そう、さっき友田さんが言ってた、その、ある時から三十度より下がらなくなったって言ってたじゃないですか。それってパワーがもう足りないってことじゃないですか。

友田:そうそう、この壁につけてるエアコンではもうその負けちゃってるっていうこと。

辻本:この負けるっていうのってすごい話で、その、なんていうか、もう全力なわけですよね、人間の今の。まあもちろんもう一機つければいいとかって話は出てくるけど、自然、自然の家として、もうそこ全力を出してるのに負けてるわけで。もうそれって限界、本来限界なんじゃないかって思うんだけど、まあ今度はじゃあ断熱をたくさんやっていこうみたいな話になって。ね、それはまあ結局お金ある人しかできないじゃんみたいな、ね、話もあるし、賃貸だったらできないじゃんみたいなね、話もあるし。

友田:そうそう、あ、ねえ、昔は多分大丈夫だったんだけど、ちょっと想定を超えてきてるわけじゃないですか。

辻本:そうですね。

友田:だからヨーロッパも今年は日本とは真逆で、日本は東京は涼しいけど、熱波が来てて四度超えで、四度超えなんだけど、ヨーロッパの都市はその四度を超えると思ってないから、みんな普通エアコンがついてないって。

辻本:信じられないけど。

友田:っていうので、なんか亡くなる方が随分出てとかって書いてあるし。で、またこれ面白いのが、なんかどれぐらい本当かわかんないんだけど、ヨーロッパ向けに家庭用のエアコンを今中国からすごいいっぱい輸出してて。

辻本:へー。

友田:で、日本はもうほとんど国内でエアコン作ってないんですよね。

辻本:あ、そうなんですか。

友田:もう家庭用の空調っていうのは、まあコモディティ化しちゃってて、オワコンだからやめちゃおうって言って、みんなやめたり売却したりして。

辻本:しているうちに。

友田:随分前にほとんどやめちゃってんだけど。と言ってたら、急にヨーロッパで今まで需要がなかったところから大量の需要が生まれて、本当はこの時やってたら、エアコンまた。

辻本:そういうことか。

友田:できたのになっていうニュースがあって。なんかこの、そん、だから基本企業の経営とかって、ある程度単年度で評価するじゃないですか。

辻本:そうですね。

友田:で、せいぜい数年みたいな。で、数年で見通しがないとみたいなことになるじゃないですか。だけどなんかこの自然環境の変化とかっていうのは、もうちょっとレンジが長いから。

辻本:確かに。

友田:あれやってたら良かったのにみたいなことが十年ぐらいの単位ではやっぱあるんじゃないかと思いますね。

辻本:特に確かにエアコンとかはね。確かに今から思えば。何かが起きる可能性はあるかもしれないですね。確かに。

友田:しかも元々自分たちがやってたのにみたいな。やってたのにやめたら、やめたところで需要が生まれるっていうね。

辻本:悲しい。

友田:そういうのいろいろありますね。

『キリンのひづめ、ヒトの指』

辻本:じゃあ本紹介します。僕も今月は友田さんと同じで暑くてそんな読んでなかったんですけど、この、ね、郡司芽久さんの『キリンのひづめ、ヒトの指 比べてわかる生き物の進化』っていう本なんですけど。これまあ僕今キリンのこと調べてたので読んだんですけど。

友田:もう今キリンのことって言えば、もう辻本さんが一番詳しいぐらいの。

辻本:違いますよ、郡司先生の方が詳しいです。[笑い]で、これはね、まあまあキリンを中心に、まあいろんな内臓だったり、まあ首だったり皮膚、比較するんですよ。人とキリンを比較したり、キリンと魚を比較したりして、まあいろんな生き物の構造を見ていこうという話で。まあだから結構表紙はキリンがどーんと出てるんですけど、まあ内臓、まあ例えば何だろうな。例えばキリンだったら、あの胃が四つあって。

友田:へー。

辻本:で、キリン、まあキリンとか牛とかもそうなのか。そうそうそう。で、あれなんですよね、その第一位でちょっと紹介- 微生物でちょっと分解して、第二胃で、あの第二胃がこう収縮ボーンってするようになってて、それで口までビヨンって戻すんですよ、食べ物を。

友田:反芻です。

辻本:そうです、反芻で、口でもぐもぐしてまた戻すんですけど。

友田:じゃあ第二胃の機能はそのビヨンってやって戻すためにあるってこと?

辻本:そうです、そうです。そう、そんな感じで書いてました。そう。で、まあまあ、で、まあやっぱりキリンの話なので、結構首にやっぱりフォーカスされるんですよね。

友田:はい。

辻本:で、やっぱりこれやっぱりこれ読んでてやっぱりすごいなと思うのは、今の反芻の話でも、牛とかだったら短くて済むじゃないですか。打ち返すのが。でもこの長いところ戻さなきゃいけないんだって思うだけで、まあやっぱ面白かったし。あとまあ呼吸もそうなんですけど、まあ人間だったら吸って肺までの距離ってまあそう大したことないじゃないですか。でもキリンだったら吸って肺までの距離ってすごい胴体まで距離があるので。

友田:あ、そっか、肺がこの首よりむしろ下にあるから。

辻本:そうなんです。そうそう。だからこの空気も、まあさっきの食べ物を戻して、また口で噛んでまた胃に戻すっていうのとの距離があるっていうのと同じで、空気もこう下まで首を通して送らないといけないので。で、そのためにキリンは、あの気道がすごい細くできてるらしいんですよ。

友田:はぁ。

辻本:で、そしたらこう、なんですか、太いよりもこうスーッといけるからって書いてました。

友田:あ、じゃあその、何て言うんだろう、肺までの容量が多いわけではない。

辻本:そうです、そうです。多いわけではなく、同じ空気を少ない力で送れるっていうふうに進化したみたいです。

友田:なんでこんな首長いんですか?

辻本:これがね、でもやっぱ結局あんまりこれっていう理由はわかってないみたいですよ。その、もちろん上の方の葉っぱを食べる種類は他にいないので、その有利だったっていうのは結構まあ有力な説ですけど。でもいろんな本とか論文とか読んでると、意外とキリンはこう水平に首を、上に首をするのではなく、葉っぱを食べる時に真横に地面と水平に首をしている時間が一番長いって書いていて、それだったら別に高いとか関係ないじゃないかみたいな。

友田:[笑い]川の向こう側の葉を食べれる。え、キリン以外で首の長いっていうか、動物とか、あとその中間的な動物とかっているんですか?

辻本:これはえっと研究されてるのが、例えばキリンって、これすごいキリンの僕は研究者みたいになってるけど、キリンはオカピっていうのと同じ種類なんですよ。で、でもオカピって別に馬みたいなもんで、別に首長くない、ないんですよね。で、ね、キリンとキリンになるまでの間を今あの化石から研究してるっていうのは読みましたが、そのなんか明確に中間の、骨の長さの化石が見つかったみたいなのを僕はまだ読んでなくて。

友田:うんうん。

辻本:だからその、どう、どのようにしてキリンの前、前の種類からこの首の長さになったかっていうのは、多分まだわかってないんだと思います。

友田:ちょっとずつ長くなるんですかね。あの水泳選手の、あの指と指の間のここがヒレみたい、ヒレ?

辻本:何かきでしたっけ?これ水かき。

友田:水かきみたいになるとかっていうのとか、あとあのスマホずっと使ってる女子高生の親指が伸びるとか。

辻本:ほうほう。

友田:[笑い]なんかあの、今の女子高生であり必要全くなかったけど、そんな話をして、誰かがしてたけど。

辻本:でもそういう、いや、僕もそうだと思います。そういう、それってでも多分女子高生はいつか、いつかっていうか、世代が進めばスマホはなくなるので、親指は長くならないと思いますけど、その、そういうふうに長く残る、その今のスマホの親指ではなく、例えばじゃあ身長の高い人の方がかっこいいと思われやすいので残るみたいなのは、例えば百年後も残ってたとしたら、どんどんやっぱり日本人は身長は本当に徐々に徐々に高くなっていくみたいなのと近いのかなと。

友田:そういうこと。いや、あとはこれで、ちょっと私は進化のことは全く知らないので間違ってるかもしれん、間違ってると思いますが。いや、それこそだから首のちょっとずつ長いキリン、ちょっとずつ長いキリンなのか、ちょっとずつ長く世代を経ると長くなっていくキリンなのかわかんないけど、そういう個体はもともといるっていうことなの?

辻本:あ、あの。

友田:で、それの方がより生き残りやすくなる環境でそればっかりになるみたいなこと?

辻本:その多分ですけど、そのなんか突然変異ってあるじゃないですか。あれってそのもともと、いや僕もこれ専門家じゃないので、あのイメージで聞いてほしいんですけど、 DNAがまずあって、で、そこからコピーしたそれをRNAに転写するのかな。その、この転写っていうのも、そのパソコン上でデータをコピペして増やすのとは違って、物理的な操作じゃないですか。 DNAからRNAに転写するのって。で、ここが多分重要で、ここはアナログなので間違う。 時があって。で、これによって結構突然変異というのが起きるらしくて。で、だからその明らかに両親にない、両親というか家系的に背が低い家系なのに、突然でかい人が生まれるとかっていうのも、はそういうので生まれるらしいんですよ。

友田:なるほど。

辻本:だから多分友田さんの質問は多分そういうのが多分たまにこうビューンって出るんだと思うんですよ。

友田:あとはその何か環境の変化とかと時間のレンジがどう合ってるのかはちょっとよくわかんないです。要するに例えば人間だと、これ昔NHKスペシャルみたいなので見ただけですけど、もともと木の森で木の上で木に登って暮らしてたのに、急にこう火山が噴火して、木がもうあんまり育たなくなって草原になっちゃった時に、結局木から降りなきゃいけなくなったから、それで立っちゃったって言ってたんだけど、その立っちゃったっていう、そのプロセスと、その環境が変化した、そのドラマティックに変化したっていうのとの時間レンジが合ってるのかっていうことですね。

辻本:確かに。

友田:要するに、僕らが今都市生活してるけど、急に都市一気になくなって、全部森になったとした時に、じゃあ僕ら服脱いで毛生えてくるきて、その服、要するに都市生活してないってことは、てか文明なしで生活するってことは、なんか体自体が防寒対策できてるような体にまたなってなきゃいけないじゃないですか。

辻本:はい。

友田:で、そんな風になるかって言ったら、やっぱならないですよ。

辻本:そうですね。

友田:そんなこと聞いたことないですよね。

辻本:そうか、でも今のはすごい面白い。その、でも例えばじゃあ範馬刃牙みたいな、いやちょっとわかんない、その漫画の、漫画のじゃあ超人みたいな人が、人間の中にも多分例えば少数いるじゃないですか。例えばその、じゃあその極寒の中でも耐えられる人間みたいな。で、そういう人が、その、まあそれ以外は全員死んじゃったとして、でもその人たちが残ったら、もしその人たちがある程度生き残れば、その人たちが今度は人間の-

友田:中心になって。

辻本:-中心としてっていうことはありうるのかもしれないですね。

友田:あ、だからそれはわかります。だからそれは別になんて言うんだろう、もう変異してるってことですよね、すでに。

辻本:そうですね。

進化は必要になってから起きるのか

友田:変異した人もその辺にいて、環境変化した時に、その人たちだけが生き残ることで、それがわかるっていう。

辻本:でも今、では今僕自分で話してそう思ったけど、でも結局そういうことなのかもしれないですね。

友田:うん。だから元々ここでも生きられるけど、全然違った時にも生きられるみたいなののバリエーションが、いろんな人がいて、普段は平均的な生活してるからわかんないんだけど、過酷な環境の変化が起きた時にそれがわかるみたいな。

辻本:確かに。そう、だから恐竜も確かその、星がぶつかって死んだだけではなく、その後の寒冷化で亡くなったのがほとんどらしくて。で、さらにその寒冷化で残った生き物っていうのはかなり小さい生き物だったらしいんですよ。なんか小さい、その小さい生き物はその温度変化にも対応しやすかったらしくて。

友田:うーん。

辻本:で、だからまあ今の話じゃないですけど、その今の小さい動物は寒くなる前も生き残れたけど、寒くなってからも-

友田:なるほど。

辻本:-生き残れたという話で。

友田:うん。

辻本:で、だからまあまあそうですね。だから進化っていうのは結局残れたやつのことを言ってるのかもしれないですね。

友田:うん、ですね。いや、そのなんか前からね、そ、そこ、いや、なんかでもわかった気がします。なんか前からその急に環境変化が起きた時に、そこから急に変異しようと思うと間に合わないじゃんって。

辻本:確かに確かに。

友田:その、それこそなんかどっかでその崖から落ちちゃって、高さ十メーターぐらいあって、とてもじゃないけど出られないなとなった時に、そこから十メーターよじ登れるような進化みたいなことは。

辻本:確かに確かに。

友田:手遅れですよね。

辻本:確かにそうですね。

友田:みたいな。

辻本:そうですね。世代後にはあり得るかもしれないけど、十世代でも無理か。僕の十世代後がそうなるとは思えないもんな。

友田:だからやっぱそういう意味では最初から十メーター飛べるような人もいるみたいな。

辻本:そうですね、筋肉番付に出てるみたいな。

友田:ことですよね。

辻本:人とかかもしれないですね。

友田:まあ、そう、だからいろんな、その、なんていうと、普通今の平均的な社会生活だと異常だと思われるような能力も持つ人もなるだけたくさんバリエーションは人類は抱えておいた方がいいっていう。

辻本:そうですね、その人類種を残したければ。

友田:って話になるんですよね。個体が生き残れるかっていうことではなくて、種を残したければ、なるだけいろんなバリエーションの人を抱え持っておく方が、まあいいっていう。なるほど。でもキリン、そうか。でもこの本はキリン。

辻本:そう。で、キリン、まああとは例えば、それこそ上に長いので、血を下から足から頭まで、足から心臓にやって、心臓から頭に血を移動させなきゃいけないじゃないですか。

友田:はい。

辻本:まあそれも大変なわけですよ、人間より。

友田:そうですよね。

辻本:まあ四メートルとかあるんで。で、なので結構皮膚がこうウエットスーツっていうか、ウエットスーツっていうか、もっとピチッピチっとしてるんですよ。そのあれか、ストッキングとか、冬に履くやつみたいな。

友田:はいはい。

辻本:やつみたいになっていて。

友田:そのポンプ機能がよく働く。

辻本:そもそもポンプになっているみたいなことですね。だからこの他の動物と比べると、こう人間のことがわかるっていうか、僕は別にそんなにぴっちりしてなくてもいいわけじゃないですか。

友田:はい。

辻本:皮膚が。

友田:はい。

辻本:なんかそういうのが一個ずつわかって面白かった。

友田:そうか、キリンを見ることで人がわかってくる。

心臓まで遠回りする反回神経

辻本:だし、こう、まあ魚とか何か他の動物もあるんですけど。あ、であと一個僕すごい面白かったのが、あの反回神経っていうのがあって。

友田:反回神経?

辻本:は、えーっと反対の「反」。

友田:はい、反対の。

辻本:反る、反るですね。に、回る、「回」は。

友田:回る、回転。

辻本:回転の「回」。反回神経っていうのがあって、それは脳と喉、こうやって今喋ってる時に喉を動かす神経なんですけど、喉をつなぐ神経で。それはまあ脳から出るじゃないですか、神経って。脳から出て一回首を通り、喉を通り過ぎて、心臓まで、心臓の血管の下をくるっとくぐって喉に戻ってくる神経で。

友田:はい。

辻本:で、これ人間にもあるんですけど。

友田:はい。

辻本:で、これがキリンにもあるんですよ。

友田:はい。

辻本:で、これって人間だったら、まあ人間でもわけわかんないけど、キリンだともっとわけわかんなくて。

友田:うん。

辻本:で、キリンは、だから脳から頭から始まって、その神経が、それが首を通り。

友田:ほとんど戻ってきてる。

辻本:そうです、そうです。首を通って心臓まで行って、くるっとその血管、心臓から出てる太い血管をくるっと回って喉に戻ってきてるんですけど。

友田:はい。

辻本:で、まあそれを解剖すると、それが本当にそうなってるのが見えて、すごく感動するって郡司先生書いてて。

友田:へー。

辻本:まあすごくないですか?だって。

友田:いやすごいけど、なんでわざわざそんなことになって。

辻本:それはなんかわざわざそうしてる理由があるっていうか、そうなっちゃってるだけなんですけど。魚の頃に。

友田:ああ。

辻本:脳から。

友田:キリンは後から首が長くなってるから余計変な感じ。

辻本:魚の頃は脳からエラに向かって神経が行ってたものが今喉に行ってるんですよ。

友田:ああ。

辻本:そのエラが。

友田:エラが喉なの。

辻本:そう。で、その時って、多分心臓から、心臓がどこにあるかわかんないですけど、そのエラの近くに多分心臓があり、で、そこから血管がこうバーッと全身につながっているわけですよね。で、その間を縫うようにして、神経が、脳からエラにつながってたらしいんですよ。

友田:はい。

辻本:で、その頃からもう魚、魚の頃から心臓から出てる血管と脳から出てる脳からエラに行く神経はこう絡み合っていたんです。

友田:はい。

辻本:で、それがもうそのまんま哺乳類になっていく過程で残ってしまっているって書いてました。

友田:なるほど。あれですね、だからいきなり哺乳類をもし設計しようとしたら、そういうふうな設計、普通の設計思想をしてれば、そういう設計はそれは無駄だししないよっていうことを、その魚から進化してきてるから、最初の魚の時のがそうだからっていうので、なんだっけ、経路依存みたいな。

辻本:そうです。そうです。

友田:進化の経路依存みたいなので、一回そうなって、逆にそうなっちゃうと、もうそこから変えられない、連続的に変えられないから。

辻本:そう。逆に言えば、本当に魚から連続して我々に繋がっているっていう話でもありますよね。その、やっぱりさっきのその進化の話じゃないですけど、ちょっとずつしか変えられないんですよね。で、一気にその血管を誰かが「変だから、ここじゃあ下から回ってくる必要ないじゃん」つって変えるっていうことはできないから、仮設、仮設住宅みたいなもんで、仮設、仮設で変えていくっていう感じだと思うので。

友田:しかもその、ちょっと構造をわかってないけど、向こう行って戻ってくるってことは、どっかの向こう側を回ってきてるってことです。

辻本:そうです。まあ、本当に糸で、糸で、糸、糸と糸で編むみたいな感じで、くるってなっちゃってるんですよ。

友田:手繰り寄せられないってことですよね。

辻本:ああ、そうですね。そうですね。血管も引っ張っちゃうことになります。

友田:手繰り寄せられればちょっとずつ戻ってくるみたいなことで、首がちょっとずつ長くなるのと同じ。ちょっとずつ手繰り寄せられるけど、向こう側を回ってきてると引っかかっちゃうから、それはできないよっていうことですよね。

辻本:そうですね。

友田:はあ、それは面白いな。

辻本:これですね。血管の下を回っちゃってる。

友田:本当にくるって、くるって引っ掛けてるから、それは絶対無理。

辻本:なるほど、なるほど。

友田:いや、これはあの、リスナーの人はこの図を。

辻本:でも反回神経って調べたら出てくると思います。

友田:ぜひ調べてください。いや、これ面白いね、これはね。なんで私がこんなに今急に興奮し始めたかっていうと、これはトポロジーの問題だからですね。

辻本:そうなんですか。

友田:トポロジーって連続変形とかしたら移り合うもの同士は同じだって考えとか、これはね、あの基本群とかホモトピーっていう話と対応する話で。こんなことを言っても全然伝わらないと思うんだけど、あのループを、あの手繰り寄せられるもの同士は同じだと思っても、これはだから遠回りしてるものと近くを通ってるだけのものとは完全に別種のものがここにあるっていうことです。だからお互いにそれは移り合うことがないから、その世代をどんだけ世代をかかっても ちょっとずつ縮めていくみたいなことはできない。

辻本:できないのか。だってこれ、これだったら心臓が持ち上がってきちゃいますもんね。これこのまま引っ張ると。

友田:それこそ本当に手術しないとダメですね。

辻本:そうか。

友田:うん。

辻本:でもこれもまた神秘ですよね。だって毎回毎回もうこう設計されちゃってるから、こう、そこを通して、そのせっせと作るわけじゃないですか。

友田:うん。

辻本:その赤ちゃんになる過程で。

友田:意味ないのにな。

辻本:そうそう。外から見てたらね。

友田:でもそういうのあるんじゃないですか、社会でも。

辻本:そうですね。[笑い]

友田:この、あそことあそこが揉めてる関係で、こっちで一回橋渡って向こうの方まで行ってもう一回戻ってくるみたいな幹線道路とかあるじゃないですか。これをやっぱりメンテナンス、別にこの橋、本当はあそこが開通してればいらないんだけどなみたいな。

辻本:半開道路って。[笑い]

友田:でもありますよね。

辻本:そうですね。

友田:うん。

辻本:で、そうそう。で、これ、これを見てから僕はちょっと喋るの気持ち悪いなって思ったっていうか、この神経がこう、そうそう、血管の下を、思うんですよ、ちょっと。

友田:ああ。

辻本:だって喋る時に使ってる神経なので。

友田:喋る時?

七つの頸椎と、キリンだけ動く胸椎

辻本:そうそう、喉、喉を、そうね。あとはまあ人間とキリンは結局まあ骨の構造はほとんど同じで。なのに、だから骨の、首の骨の数も同じなんです。七個で。哺乳類。哺乳類って全部同じで。

友田:はい。

辻本:なのにあんなに長いので、本当に一個一個の頸椎がすごい長い。

友田:なんで七個なんだろうね。

辻本:そう、これもわかってないみたいです。というのは、鳥は可変なんですよ、鳥ごとに。

友田:あ、そうなんですか。鳥、

辻本:鳥類は。

友田:鳥類の中でも違う。

辻本:そうです。でも哺乳類はもう、もう同じと言っていい。だから例えばゾウとかってすごい首短いんですけど、その中でもやっぱ七、七個あるのは七個ある。

友田:あ、そう。なんか、面白いですね。僕は今まで動物にほとんど興味を持たずに、前は植物って言ってたけど、植物にも動物にもあんまり興味を持たずに生きてきましたけど、そうやっていろいろ聞い、話を聞いてると面白いね。

辻本:面白いですよね。

友田:なんか、でも、いや、なんで今まであんまり動物に、まあ気持ち悪いからっていうのはあるんですけど、動物にも植物にも興味なかったんだってか、生物はあんまり興味なかったんですよ。

辻本:はい。

友田:その科目でいうと。理科は興味があって、理科でも。

辻本:化学、化学。

友田:化学とか物理に相当することは興味があるけど、なんか、そうだからそうだよなんだよみたいな感じが。[笑い]

辻本:まあそれはそうですね。だって今もそういう話ですもんね、結局。

友田:だけど、今の話を聞いてると、そうでもなくないですか?

辻本:そうです。そこが半々の感じがします。

友田:七つだってことは、もちろんそれはそうだからそうだよなんだけど。だけど、哺乳類は七つだけど、鳥類は可変なんだよって。え?それなんでだろうね、不思議だねってなるじゃないですか。

辻本:なりますなります。

友田:そこはちょっと違いますよね。

辻本:そうですね。

友田:そうだからそうだよって。

辻本:これはだから郡司先生の本を読んでると面白いところで、やっぱり比較するとわかるんですよ、そういうのが。

友田:はいはいはい。

辻本:で、キリンと、多分キリンとオカピとかすごい比較されてたり。その郡司先生は、一個、郡司先生の有名な研究は、キリン、普通、今、頸椎が首の骨で、胸椎が胸の骨ですけど、普通、馬とかオカピとか、牛とか、まあ人間もそうですけど、胸椎の一番目、一番目というのは、首と胸がひっついている一番上の胸椎ですけど、胸椎は動かないんですよ。首をこう前にこう動かしたりすると、頸椎って動く、一個ずつ。

友田:S字のあれが動くっていう。

辻本:そうです、そうです。で、でも胸椎は肋骨とやっぱりひっついているので、すごく可動範囲があるわけじゃなくて、頸椎と胸椎の差っていうのはそこにあるんですけど。キリンはそのすごい長い首で下の床の水を飲んだりするわけですよ。

友田:はいはい。

辻本:で、そうすると可動範囲が、もともとの哺乳類の可動範囲では足りないんじゃないかって郡司先生は思ったらしいんですよ。

友田:はい。

辻本:その頸椎だけが曲がるだけでは届かないんじゃないかと。で、胸椎が動くのではないかって。胸椎の一番目が。で、その研究をされて、結局胸椎は動くっていうことを。

友田:胸椎も動く。

辻本:そう、キリンだけは動くっていうのを発見した人なんですけど。だからなんかこのそれも結局オカピは動かないけど、同じ種のオカピは動かないけど、キリンは動くとかっていうのを、やっぱり比べると何があるかっていうのがわかってくるっていう。

友田:うーん。なんで動かせるようになったんだろう?その、それはでも連続的な変形。

辻本:そうですよね。これもやっぱり、これはやっぱりなんでっていうと、言って、動物には結構難しいですよね、その、先に多分ニーズがあって、それを作るわけじゃなくて。

友田:そうかそうか、それはそう。

辻本:そのキリンも、でもいつからあったのかっていうのは面白いですよね。その、いつからその胸椎一番目が動くやつがいたのか。[笑い]

友田:ひょっとしたら首が長くなる前から胸椎一番目の動く。 個体がいて、そいつだけが首が長くなった時に水が。

辻本:本当にそうだと思う。本当にそうだと思う。

友田:首長くなってみたら意外と水飲めなかったみたいな。

辻本:でもそれは本当にあるでしょうね。

友田:死しかないよね。それは。

辻本:飲めな、飲めねえやってなって、多分その、その種は短命に終わりますもんね。

友田:残念でしたみたいな。

辻本:多分そういうのが本当に大量にあって、今があるんだろうなと。

進化に「なぜ」と問うこと

友田:そうか。いや、今そのちょっとその前に言ってた、辻本さんが言ってた、生物のその進化とかに、なぜはあんまりこうという問い方向いてないっていうのは、それはあの、ほんとそうだなと思って。そもそも、いや、これ僕前から提唱してるんですけど、勝手に。なぜと、で問うのって、もっと慎重であった方がいいと思うんですよ。よく企業とかでなぜを三回問えとか言うんですよ。

辻本:はい。

友田:要するに一回じゃなくて、なぜなんとかAなんですか?って。それはBだから、じゃあなぜBなんですか?それはCだから、三回ぐらいなぜをなんか追求しろとかってよく言うんですよ。なんかビジネス書とかにも、まあ実物見てないからあれだけど、書いてあるんです、多分。だけど、その、なぜって問うことで良くなる場合は問ってもいいんだけど、どうしようもない場合に問うても仕方がないというか。でもなんかみんな素朴に何か問題が起きた時に真っ先になぜって言うじゃないですか。むしろその習慣の方をよく考えた方がいいっていう。

辻本:確かに。

友田:むしろ例えばAなんですって言った時に、なぜAなんですかじゃなくて、Aと言いますとみたいなことを本当は聞かないといけないですよ。

辻本:はいはい。

友田:あんたが言ってるAってど、どれ、どれのことですか?とか、Aってそもそも何なん?どういうことのことをAと言ってるんですか?とかって言ってくと、いや、Aって言ったけど、Aっていうのはなんかアとイとウからなっててみたいになってくと、あ、なるほど、あ、確かにアはありますねとか、イはありますね、みたいになってって、そうするとちょっとよく見えるっていうか。

辻本:確かに。

友田:なのにAなったのなんでなんですか?とか、いや、それはなんか鈴木さんがなんかやったからなんですよみたいなこと言われても、全然Aは何にもならないというか。

辻本:確かに。

友田:みたいな話で。そういうのがやっぱね、ちょっと軽んじられてるっていうか、因果関係を強く求めすぎてると思う。

辻本:うんうんうん。

友田:それは一つにはその安心したいとかっていう気持ちはきっとあると思うんですよ。

辻本:うん。

友田:要するに因果関係がはっきりしてた方が、

辻本:はい。

友田:要するにそれについてもう思い悩まずに済むっていうか。

辻本:そうですね。

友田:けど、それでなくしてるものが随分あるっていうか、こぼしちゃってることがあると思うんで。なんとなくでもいいですよ。だって僕結構なんとなくとかほんと大事だなと最近思いますけど。

辻本:ああ。

友田:なんとなくで選べててうまく機能してるってもう最高じゃないですか。

辻本:確かに確かに。[笑い]

友田:なんとなくですみたいな。でもなんとなくですって言ったらまあ怒られますよね。会社とかで意思決定でなんでこれにしたの?って。いや、なんとなく。

辻本:でもやっぱキリンとかも結局そうなんでしょうね。まあその、彼らが選んでるわけじゃないけど、なんとなく残っちゃってるっていうか、その、こうでこうでこうの結果残ってるわけではなくて、今残ったのがこれでしたっていうこと。で、まあ途中でね、もちろんあっちがいなくなった理由とかはあると思うんですけど。その別の形だったものがいなくなった理由はあると思うんですけど、もちろん。だから胸椎が動かなかった個体は水が飲めなかったからっていう理由はあると思うけど。

友田:いや、それ面白いなあ。しかもそれをちゃんと、こう、郡司先生が調べて、まず気づいてっていうことですよね。

辻本:そうですね。

友田:あれ、これじゃ水飲めないじゃないとかって気づいて。

辻本:いろんな、その研究、その、多分もっと若い時にされてたんですけど、その若い頃はもう多分いろんな博物館とか、いろんな動物園にキリンが亡くなったら教えてくださいって言って。でもほとんどのキリン亡くなったら郡司先生が解剖してたんですけど。だからそうしてる中で、博物館が、「そういえば昔、小さい頃、本当にちっちゃい頃に亡くなっちゃったキリンがそのまんま冷凍して置いてありましたよ」みたいなの。で、思い出して教えてくれて。で、その胸椎の研究してる時にそれを検体してもらって。で、そしたらその場で動かせるじゃないですか。

友田:はい。

辻本:で、それ、それも一個、その、それを発見したピースの一つでしたね。

友田:なんか楽しいだろうね。

辻本:いや、本当に楽しいと思いますよ。

友田:すごいなあ。なんでキリンを研究テーマに。

辻本:でもなんか郡司先生は小さい頃から好きだったみたいで。

友田:キリンが好きだった。

辻本:で、大学でちょうどその動物博士の遠藤先生っていう、多分あの、NHKとかよく出られてる先生ですけど、が、大学にいて、そこでキリンの解剖、キリンの研究したいんですって言って。そしたら遠藤先生だけはできるんじゃないっていう、言ってくれたのでやることにしたって書いてました。

友田:なるほど。あれなんですかね、みんなあんまこんな大きな動物やりたがらないみたいな。

辻本:まあそうかもしれませんね。その、ま、また別のもうちょい、もうちょっとキャリアがある方で、女性で、クジラとかイルカの解剖の方もいて、その方の方も別で僕並行して読んでたんですけど。で、その方- やっぱ海の生き物の方が大変そうですね。その結局、えーっと、キリンは今野生じゃないじゃないですか。園で亡くなることしかないので、検体は普通にしてもらえるんですけど、例えばクジラとかだと打ち上がると打ち上がった自治体とやりとりして、処分されちゃうこととかもあるんですよ、先に。

友田:はい。

辻本:まあなんかそういうところから始まるし、まあでかいし、何より。しかもなんか脂が多いからヌルヌルするとかも書いてて。しかもなんか匂いもすごいらしいんですよ。で、匂い that'sすごいから、あの帰りに必ず銭湯に寄って帰るんだけど。で、銭湯で、そう銭湯でもう何の匂いだ、何の匂いだって言われるから、もう必ずもう匂い対策がすごい。だからもう脱いですぐ風呂入って。でもそれでも服をロッカーに入れてると匂いがバレたりすることもあるらしくて。だからもうすごい。

友田:大変なんだ。

辻本:すごい。

友田:そんななの?クジラ。

クジラの匂いを察知するお婆ちゃん

辻本:みたいです。僕も嗅いだことないけど。あ、で、あ、そうだそうだ、一個面白い話書いてて。その銭湯に行った時に、まあ服急いで脱いでロッカー入れて、体洗ってたんだけど、そしたらおばあちゃんがふわっと銭湯入ってきて、「あら何かクジラ の匂いがするわね」っていう。

友田:すごいすごいすごい。

辻本:でも多分昔の人はもしかしたらクジラ食べてたから、そうそうそう、ってことなのかなって書いてて、それは面白かった。

友田:え、辻本さんクジラ食べたことないですか?

辻本:あ、ないですね。

友田:え、僕はね、もうなんかまた今日も昔話になっちゃうけど、小学校の二年生までは学校の給食にクジラが出たんですよ。クジラの竜田揚げ、薄く切ったクジラ肉をカレー風味の衣つけて。

辻本:ちょっと癖あるんですか?

友田:臭い。でもね、それは別にそんな臭くなかった。だからそれはカレーの味がしてる。結構人気メニューでしたよ。

辻本:へー、ちょっと食べてみたいですね。

友田:今でもあの渋谷のクジラ料理の店行けば、調査捕鯨で捕ったクジラの肉を食べさせてくれる。[笑い]

辻本:よく知ってますね。

友田:うん、そこは僕は行ったことないですけど。え、思ってませんでした?クジラ料理が今でも食べれる店はなんで食べられるんだろう。

辻本:確かに確かに。

友田:それは調査捕鯨で捕った肉を後で調査した後で支給しているのが。

辻本:まあ捨てたらね、あれですもん。

友田:昔から取ってあるやつを冷凍保存してるわけではないんですけど、昔は普通に学校給食で出てましたから。食べてましたけどね。そっか。でも確かにね、昔の、食べた人は匂いがわかってるっていうのは。でもそれ、そのおばあさんすごいですね。

辻本:すごいし、そんなにロッカーに入れてても出てきちゃうんだっていう。

友田:ああ、そうでしょう、そりゃ。だってまあ脂を浴びるような体験をしてるからね。

辻本:仕事ですもんね。

友田:それはあの、なんかあの、なんだっけ、ガソリンスタンドの人の体から、あの灯油とか石油の匂いがする。

辻本:昔はね、よくありましたね。

友田:ってことでしょうけどね。

辻本:うん。

友田:へー。いや、さすがにそんな大変な思いをしてる分野の人には、なんか科研費でシャワー付きワゴン車とかを買わせたい。

辻本:確かに本当にそうだ。

友田:だって業務上それだって入れてもらえないかもしれないですよ。

辻本:いや、本当に本当にそう。だから一人ずつ入るんですって。全員で入るとあの集団なんかあるんじゃないかって思われるから。

友田:いや、それは。

辻本:別々に入るらしいです。

友田:気の毒ですよね。

辻本:うん。

友田:その銭湯にとってもあんまりやっぱ良くないからね。

辻本:確かに確かに。

友田:うーん、そうですか。すごい。[笑い]いや、動物の話面白いですね。

辻本:面白いです。だから意外とあの、この間、科博、行きましたけど、常設展の一番上にもうすごい数の動物の標本がバーって並んでて。あれって、その、まあ別々の種類が一体ずついるわけですよ。

友田:うん。

辻本:その鹿だとか虎だとかシマウマだとか、あの光景って自然にはありえないじゃないですか。

友田:ああ、そうですね。自然界でそんな風にレイアウトされてない。

辻本:そう、あれはなんか壮観でしたね。

友田:なるほど。動物園がもっとギュッて。

辻本:そうですそうですそうですそうです。

友田:動物園ですら異常、異常な状況だけどもっとそれを並べたっていうことか。へー。

辻本:あとはなんかクジラの顎の骨だけが上につってあって。もうそれはなんていうか、もうでかすぎて最初何なのかわからなかったですけど、これを解剖した人がいるんだなと思って面白かったりとか。

友田:なるほど。今ちょっと思ったけど、辻本さん、やっぱり何かが有り得ない状況で並んでるってことに強く反応しますね。

辻本:ああ、そうかもしれないです。

友田:なんだっけ、トイレタワーと一緒。

1968年のセイウチと、マレーシアにいる自分

辻本:はいはい。だし、あとはそうそう、でもそういう話でいうと、あとやっぱり、標本に、この本読んでから、その標本とかに、が、人が作ってるっていうことをすごく感じたので、その、そこに注目したんですけど、その科博で見ていると、一個ずつにタグが小ちゃいタグがついてて、ぶら下がってて、例えばアラスカ、千九百六十八年とかって書いてあるのがぶら下がってて、千九百六十八年ですよ。そんな時の、セイウチとかの顔の標本がこう壁についてるんですよ。 いや、こう信じがたいっていうか。[笑い]自分より全然昔の。

友田:そうですね。

辻本:そう。で、もうほとんど標本、でっかい標本がもう僕より昔の、僕は八六年生まれですけど、ものばっかりでした。

友田:うーん。まあそうですね。あ、でもそれちょっと話が飛んじゃうけど、全然違う国とか行った時そういうこと思いません?

辻本:え、というのは?あ、自分がいるってことですか?

友田:そうそう、僕が例えばマレーシアのど田舎の、なんかのマンションの九階だか十一階だかに住んでたんだけど、駐在した時に。その、私を構成してるたんぱく、たんぱく、タンパク質じゃないか、水、水分子でもいいんですけど、それが元々は日本にいたじゃないですか。

辻本:京都に。[笑い]

友田:はい。で、まあもちろんあの動的平衡で入れ替わってるんだけど。だけど、ここには、放っといたら、こんな固まったままでは絶対流れ着かないし、ここにいないものがここにいるってどういうことなんだろうなって、しばしばそういう感覚に襲われてましたけど。それはそのアラスカで六十八年にその取っ-

辻本:多分標本になったのかな。

友田:うん、標本になった、その-

辻本:セイウチ。

友田:セイウチがそこにいるっていうのは、まあもちろん意識はないと思うんですけど、意識があったとすると、なんかそういう感覚。

辻本:そうですよね、確かに。

友田:で、見てる側がそれをちょっと、その不思議さを感じてるなって今思った。

辻本:まあそんなところですか。

友田:はい。いや、この本面白かった。

辻本:これ面白いです。

友田:うーん。

辻本:じゃあそんなところで、今日、えーっと。

友田とん『あるはずの試み』

友田:最後に宣伝していいですか?

辻本:あ、もちろんです。はい、もちろん宣伝。

友田:あの九月の末、まあ十月一日になると思うんですけど、発売されるんですが、前に私、『ナンセンスな問い』っていうエッセイ小説集を、H&S Companyというところから出してもらってるんですけど、それの、まあ続編というか、二冊目で、『あるはずの試み』というエッセイ小説集が、十月一日発売だから、書店にはそれより少し早く並ぶと思うんですけど、出ますので、ぜひ手に取ってみていただきたいと思います。

辻本:それは結構『ナンセンスな問い』と、その繋がりがあるというか。

友田:そうですね。

辻本:あるんですか?

友田:元々「本屋に行く」っていう連載エッセイをずっと書いていて、それのある時までのをまとめたのが『ナンセンスな問い』で、その後、大体二千二十一年から二十五年にかけて書いたエッセイとか小説を。

辻本:そうか、じゃあ前も集めたものを『ナンセンスな問い』と言われてまとめて、で、今回もじゃあ色々と集めたものを。

友田:そうですね。

辻本:まあでも友田さんが書いてるのだから、ある程度こう、何か。

友田:同じようなテイストっていうか。でも前はただナンセンスな問いを唱えて考えてるだけだったのが、今回はなんか試みがあるっていう。

辻本:あ、そうか、『あるはずの試み』。いや、またいいタイトル、『あるはずの試み』。いいですね。

友田:帯もね、帯文もすごくいいです。

辻本:あ、そうですか。

友田:私が書いた文章ですけど。

辻本:ああ、そうなんですね。

友田:いやいや、でも選んでくれたのは編集の松井さんという方が選んでくれたテキストで、とってもいいと思います。

辻本:十月一日発売ですね。では、ありがとうございました。

友田:ありがとうございました。

辻本:失礼します。

友田:失礼します。

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